Web会議の成否は「準備」次第

投稿者: | 2020年7月2日

4月以降、世間の自粛ムードに完全対応して暮らした結果、いよいよお腹周りがぷにぷにしてきました。みなさん、ごきげんよう。
わたしは、ライフスタイルが自粛モードの上位互換なので、自粛生活への移行はシームレスでした(笑)。

さて、7月に入ると自粛ムードも緩み、再び集まって行うリアル会議の予定が入ってきました。
さすがに、以前のように毎週東京というわけではありませんが、それでも月2回、早朝の新幹線で上京し、夜遅く帰阪する感じです。
会議は新しい企画のアイディア出しが主です。こういうのは、Web会議では深めにくいので、集まって話し合うのは意味があると思います。

さて、自粛期間中は、会議といえば、Web会議システムを使うことが多かったです。
みなさんの中にも、この期間中、Web会議に出席された人がいらっしゃるのではないでしょうか。

Web会議、いかがでしたか。出席者がリアルに集まって行う会議とは勝手が違って、うまくいかないと感じた方も多いのではないでしょうか。
そうなんです。Web会議は、直接集まって行うリアル会議とはいろいろな点が違いますよね。

そのひとつは、Web会議では話しを切り出すのが難しくなることです。
それは、リアル会議以上に思い切りが必要だからです。
なぜ、思い切りが必要かというと、Web会議では、その場の「雰囲気」や参加者の「気配」といった、直接「人」から発散するものが共有しにくく、発言中に雰囲気を読んで意見を微調整することが難しいからだと思います。

リアル会議の場合、意見が分かれそうな時は、会議室の「雰囲気」や他の出席者が発する賛否の「気配」などをその場で判断して、内容を修正できます。これは誰もが無意識にしていることです。
こうすることで、発言のハードルが下がります。極端な場合は、修正が行き過ぎて、話しはじめの勢いと最後のテンションが全く違うということもあります。
それほど柔軟に雰囲気にあわせて話せるから、とにかく話始めてからでもなんとか着地点にたどり着けます。

しかし、Web会議では「雰囲気」や「気配」を感じたり、あるいは発言者に向けてプレッシャーをかけて、無言の圧力でコントロールしたりすることが難しいので、いったん話し始めたら最後まで一気に話してしまう形、あるいは聴く形になりがちです。
これは、発言する内容に確信がない場合、大変な思い切りを必要とします。上で思い切りと言ったのはそういう意味です。
そして、ちやんと考えをまとめてから話す人でも、発言を終えた後で本当に今のでよかったのか悩むことになります。
またそれを聴いていた方も「なんであんなことを言うのか」と不満を感じたりします。

こういう状態を避けるには、前提条件や想定に関する説明をきちんとしなければいけません。
ご承知のように、会議では発言の裏にさまざまな前提条件や「もし、〇〇ならば」といった想定があります。
リアル会議では、出席者の雰囲気から、自分の発言が充分に理解されていないと思ったら、こうした前提条件や想定を補足説明して理解されるようにします。
しかし、Web会議ではこうした雰囲気を感じることがとても難しいので、自分の発言趣旨が理解されているか、もっといえば誤解されていないか、不安を感じたままとにかく最後まで話し切ることになります。
これがWeb会議とリアル会議の違いです。

Web会議でこれを避けるには、会議の出席者が、議論の前提になる諸条件や想定をあらかじめ共有している必要があります。
それは、会議前の論点整理や諸条件や想定を含んだ資料作成に、リアル会議以上の準備が必要になるということです。
組織立った会議の場合、この準備をするのは事務方です。
事務方が、Web会議のこうした特質に気づかず、リアルの会議をただWebに置き換えただけで当日を迎えた場合、出席者は上に挙げたような勝手の違いを感じることになります。

つまり、Web会議では特に「事務方、しっかりしろよ」ってことです。
なんかケンカモードなのは、昨日のアイディア出しのWeb会議と関係大です。

ただし、例外もあります。
それは、議事がすべて全員一致で賛成になる、いわばセレモニー的な会議の場合です。
この場合は結論にまぎれがありませんから、準備は従来のリアル会議とほぼ同じで大丈夫です。
業界的に、5月、6月は会議続きですが、この時期の会議はこういう形式的なものが多いので、Web会議で置き換えられてもストレスはありませんでした。
もっとも、このような会議を開催する必要があるのどうかは、別の議論ですが。

思いつくまま結論のないエントリーですみません。

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